新たに介護職となって働き始める人に「就職支援金」として最大20万円を貸し、2年間続ければ返済を全額免除する − 。
厚生労働省が今年度から開始する新規事業だ。転職を考えている他業界の人に介護現場へ目を向けてもらうための仕組み。新規参入の促進、人材の確保につなげる狙いがある。【鈴木啓純】
今月15日、厚労省はこの事業を改めてPRする通知を事業者団体などに発出。「関係者への周知と活用を」と要請した。
サービス提供体制の確保に充てる目的で地域ごとに設置している基金を原資に展開していく。今年度、実際にこの事業を行うかどうかは都道府県の判断。厚労省は通知に、「実施時期などは都道府県によって異なる。詳細は都道府県の"地域医療介護総合確保基金"の担当部局へお問い合わせを」と呼びかけた。
「就職支援金」の20万円は主に無資格者、未経験者を対象とするもの。これまで無職だった、あるいは他業界で働いていたこと、初任者研修を修了して介護職になることなどが条件だ。例えば引っ越し、通勤用の自転車や介護ウェアの購入、子どもの預け先を探す活動など、幅広い使途が想定されている。
厚労省はこのほか、いったん介護現場を離れた有資格者、経験者が復帰する際に最大40万円を貸し付ける同様の制度も設けている。こうした取り組みで人手不足を緩和し、「介護崩壊の恐れを未然に防止することを目指す」という。
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