介護労働安定センターが27日に公表した新たな調査結果 − 。新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけとなり、介護現場でもICTの活用が少し進むことになったと報告されている。【鈴木啓純】
この調査はコロナ禍が及ぼした影響などを探るため、昨年12月から今年1月にかけて行われたもの。特養や老健、訪問介護、通所介護、居宅介護支援など2160事業所が対象で、57.4%にあたる1240事業所から有効な回答を得たという。
それによると、昨年3月以降に新たにICTを活用し始めた事業所は44.8%。その用途は多い順に、「オンラインミーティングツールによる会議」が25.5%、「オンラインミーティングツールによる利用者と家族の面会」が12.3%、「モバイル端末で利用者情報を共有」が12.3%となっていた。施設・居住系サービスに限ってみると、「オンラインミーティングツールによる利用者と家族の面会」は34.4%。
ICTを活用するうえで何か悪い効果は生じたか? そう尋ねた質問への答えでは、「利用する職員としない職員に分かれてしまっている(18.7%)」が最多。このほか、「現場で使いこなせておらず、むしろ業務負担となっている(9.9%)」「導入したものの使われていない(6.1%)」などの声もあがっていた。
介護労働安定センターはこれらを踏まえ、「今般のコロナ禍は多くの介護現場にICTの導入・拡大を促した。今後の業務の効率化に良い効果を及ぼす兆しが伺える。コロナ収束以降もこうした取り組みは必須と言える」と指摘。「今後の展開・拡大にあたっては、介護職のITスキル・リテラシーを高めるための適切な方策も講じる必要があるという課題も示された」とまとめている。
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