今年度の介護報酬改定の効果を検証しつつ、次の2024年度改定をめぐる議論で使うデータも集める − 。こうした目的で実施する今年度の調査の内容を、厚生労働省は10日の専門家会議で固めた。【Joint編集部】
新たなデータベース「LIFE(科学的介護情報システム)」の調査が柱の1つ。関連加算を算定している事業所の現状、課題などを把握し、より有効に機能させるために講じる施策の立案につなげる。また、LIFEへの登録がない事業所にもアンケートで考え方を聞く。
厚労省はあわせて、関連加算をまだ設けていない訪問介護、訪問看護、居宅介護支援などにも焦点を当てる。データ提出やフィードバックを試行するモデル事業を行い、具体的なユースケースなどを検討。この領域でもLIFEを活用できないか、関連加算を導入できないか可能性を探っていく。
モデル事業のスケールは、サービスごとに10事業所ほどを想定。例えば居宅介護支援では、LIFEに対応している通所介護のフィードバックをケアプランの見直しに活かす取り組みなどをテストし、課題の洗い出しを図る。
厚労省はこうした内容を今月末の審議会で正式に決める予定。来月にも調査を始め、今年度末に結果を報告する計画だ。
「かなりチャレンジングな調査になる」。専門家会議の松田晋哉委員長(産業医科大学教授)はそう指摘。訪問介護や居宅介護支援などのモデル事業について、「LIFE活用の経験者はまだ少ない。伴走型で進めていく方法が合理的」と説明した。
このほか、「本当の意味で利用者のためになるのか、という視点が重要」「ICTをうまく使いこなせない事業所の実態把握、対応策も不可欠」などの声もあがった。
関連記事
新着記事