厚生労働省が毎月まとめている「介護給付費等実態統計」のデータで、訪問介護の最新の事業所数が明らかになった。【Joint編集部】
今年4月審査分(年度末の3月サービス提供分)で3万4372事業所。毎年の同時期でみると過去最多となった。近年の推移はグラフの通りだ。
制度創設から増加トレンドが続いてきた訪問介護の事業所数は、深刻なホームヘルパー不足もあって2017年に一旦ピークを迎えた。ただし、減少は長期化せず2年でストップ。2020年から反転し、再び上向き始めた。3年連続の増加となった今年は、初めて3万4000事業所を突破。過去最多を更新することになった。
背景にあるのは高齢化の進展に伴うニーズの拡大だ。一定の利用者を獲得できると見込み、事業所を増やしたり新規に参入したりする事業者がいる。障害福祉サービスとセットで展開すれば、一定の収益を得られる報酬体系も影響しているとみられる。サービス付き高齢者向け住宅の開設が増えていることも一因、という声もある。
他方、東京商工リサーチの報告によると、今年の上半期に倒産した介護事業者では訪問介護が最多だった。ヘルパー不足が大きな要因で、倒産前に撤退を決める事業者もいる。人材確保が経営の成否を分ける状況は、今後もしばらく続いていきそうだ。
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