厚生労働省は16日、今後の社会保障を支える人材の確保をメインテーマとする今年の「厚生労働白書」を公表した。介護分野では職員の離職率にも言及。総じて低下傾向にある一方で、事業所ごとの2極化もみられると問題を提起した。【Joint編集部】
白書によると、介護職員の離職率は2020年度で14.9%。前年度より0.5ポイント低く、10年前の2010年度(17.8%)から2.9ポイント低下した。2020年度の全産業計は14.2%で、その水準との格差は決して大きくない。
ただ、介護職員の離職率には事業所ごとのばらつきがある。2020年度でみると、10%未満の事業所が46.6%を占めている一方で、30%以上の事業所も18.2%存在しているのが実情だ。
白書ではこうした離職率の2極化について、特に小規模の事業所で顕著だと報告されている。例えば介護職員が9人以下の事業所。10%未満の事業所が49.7%と非常に多い一方で、30%以上の事業所も28.9%と4分の1を超えている。介護職員が10人〜19人の事業所も同様に、10%未満と30%以上がそれぞれ多くなっている。
介護職員が離職を検討するきっかけとしては、「職場の人間関係」「事業所の理念・運営のあり方」「結婚・出産」「収入が少ない」などがあげられた。白書では、「仕事を選んだ理由と実際の仕事との間にギャップがあると、離職につながる可能性がある」と指摘されている。
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