政府、介護報酬が現場の職員に行き渡っているか確認へ 使途の見える化に向けルール作り目指す方針

介護施設・事業所へ支払われる介護報酬が経営者など一部の人に集まり、現場を支える職員に広く行き渡るようになっていないのではないか − 。政府がこうした問題意識を強めている。【Joint編集部】

2日に開かれた「公的価格評価検討委員会」で、介護報酬の“使途の見える化”に取り組む方針を確認。介護職員の更なる処遇改善を進めるにあたって、国民の保険料や税金などを原資とする貴重な財源をより的確に、効率的に活かせる環境の整備を目指す姿勢を鮮明にした。

職種ごとの給与などを継続的に把握できるようにすることで、介護報酬が個々の法人の内部でどのように配分されているか、透明性を高めていく考えを打ち出している。

人手不足が深刻化の一途を辿るなか、介護職員の更なる処遇改善の実現を求める声は大きい。財政的な余裕がほとんど無いなか、政府には各施策の効果を最大限に高める前提条件を整えたいという思惑がある。

厚生労働省は既に、2024年度の制度改正で全ての介護施設・事業所に財務諸表などの公表を義務付ける方針を固めている。これを基にデータベースを構築し、個々の経営実態をより精緻に把握・分析できるようにする計画だ。

政府の「公的価格評価検討委員会」は今回、「データベースの整備にあたっては、職種ごとの給与費の合計などを継続的に把握できるよう対応すべき」と提言した。具体的なルールをめぐる調整はこれからで、どこまで踏み込んだ内容にできるか注目が集まりそうだ。

提供元:介護のニュースサイトJoint

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