厚生労働省は2024年度から、介護施設・事業所と自治体との書類のやり取りを効率化する「電子申請・届出システム」の活用を、全ての事業者に原則として求めていく。今後、介護現場は新たなシステムに対応していく必要がある。【Joint編集部】
厚労省は今回、介護施設・事業所のルールなどを規定する省令・告示を改正し、やむを得ない場合を除いて「電子申請・届出システム」を使うことを明記する。あわせて、国が定める各書類の標準様式を手続きに用いることも原則化する。介護現場のペーパーワークの負担軽減、生産性の向上につなげたい考えだ。
今月3日からそのパブリックコメントの手続きを開始。2024年4月1日から適用する意向を明らかにした。意見募集は来月4日まで。
新たな「電子申請・届出システム」は、既存の「介護サービス情報公表システム」を改修して構築されたもの。事業所の指定申請、変更届出、更新申請、報酬請求などの手続きに必要な書類のやり取りを、個々のPCからクラウドで実行できるようにする。面倒な紙の提出や郵送、メールなどをやめ、事業所と自治体の双方の事務を効率化する狙いだ。
厚労省は昨年9月、全国の自治体に局長通知を発出。「電子申請・届出システム」を速やかに導入していくよう要請していた経緯がある。
もっとも、「電子申請・届出システム」は昨年10月に運用が始まったばかり。多くの自治体がまだ調整や準備の段階にあるのが実情だ。
厚労省は今年度、来年度と段階的に普及を進め、2025年度までに全ての自治体に導入してもらう計画。このため現場は先を見据えて備えつつ、自治体の動きに合わせてシステムに対応していけば良さそうだ。
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