厚生労働省が今月16日に公表した介護職員の「処遇状況調査」の結果 − 。関連する介護報酬の加算の中で、ベテラン介護福祉士らの賃上げにウエイトを置いた「特定処遇改善加算」の算定率がおよそ7割にとどまっていることも分かった。【Joint編集部】
ベーシックな「処遇改善加算」を取っている介護施設・事業所(*)でみると、昨年12月の算定率は75.9%。対象サービスの全ての介護施設・事業所に占める割合は、71.2%となっている。
*「処遇改善加算」の算定率は昨年12月で93.8%。「特定処遇改善加算」の算定要件には、「処遇改善加算」を取っていることも含まれる。
介護職員の給与を月額8万円引き上げるとして導入された「特定処遇改善加算」だが、約3割の介護施設・事業所は取得できていない。そこで働く人には恩恵が行き届いていないのが実態だ。
この「特定処遇改善加算」は、勤続10年以上など経験・技能のある介護職員にリソースを重点配分することなどが要件。現場を引っ張るリーダー級の人材を優遇して“頑張れば報われる環境”を作る、という狙いがあった。
ただ、不満を抱いている事業者も少なくない。「職場内の給与バランスが取れなくなる」「要件が細かくて煩雑」といった声が多く、国の2020年度の調査でも同様の回答が多かった。
厚労省は改善策を検討中。処遇改善に関する既存の加算の一本化を想定しており、この中身が来年4月の介護報酬改定をめぐる大きな焦点の1つとなっている。
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