厚生労働省は10日、来年度の診療報酬改定に向けた議論を重ねている中医協(中央社会保険医療協議会)で、施策の方向性を示す「これまでの議論の整理(案)」を提示した。【Joint編集部】
介護施設との連携の強化を医療機関に促す仕組みの拡充を打ち出した。
特養や老健などの協力医療機関となり、急変した利用者らを受け入れた場合の評価を新たに創設する。医療ニーズが一段と高まっている介護施設の現状を踏まえ、それに対応できる体制の構築につなげる狙いがある。
広く国民の意見を聞くパブリックコメントを今週中にも始める。評価のあり方など具体策は今後詰めていく。
厚労省は来年度の介護報酬改定で、利用者の急変時などに対応にあたる協力医療機関を定めることを全ての介護施設に義務付ける。3年間の経過措置を設け、2027年度から完全適用する計画だ。
こうした介護分野の動きとリンクする施策を医療分野で講じる。診療報酬に新たなインセンティブを設け、介護施設と良い協力関係を築く医療機関を後押ししていく。在宅療養支援病院・診療所、地域包括ケア病棟などの要件も、介護施設の求めに応じて協力医療機関を担うべきという観点から見直す。
厚労省はこのほか、来年度の診療報酬改定で地域のかかりつけ医とケアマネジャー、介護職員の連携を強化する新たな措置も導入する考えだ。
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