「迷惑はかけられない」デイサービスを休んだ理由はコロナ禍ならではのやさしいウソ【介護漫画】

「迷惑はかけられない」デイサービスを休んだ理由はコロナ禍ならではのやさしいウソ【介護漫画】「迷惑はかけられない」デイサービスを休んだ理由はコロナ禍ならではのやさしいウソ【介護漫画】

新型コロナウイルスが流行して以降、マスクや手洗いなど気をつけるべきことが増えました。大変ですが、自分自身が感染しないのはもちろん、他人に感染させない、不快な思いをさせないといった役割もあるでしょう。
デイサービスを利用するある男性も、周囲への気づかいからデイをお休みする決断をしたようです。

デイサービスを休んだのは体調不良ではなく…?

介護漫画/デイサービスに行けない1

介護漫画/デイサービスに行けない2

新型コロナウイルスの感染リスクがある現在、ちょっとした咳でもグッと我慢した経験はありませんでしょうか? 電車、職場、エレベーター内、買い物中などいつでも人目が気になってしまいますよね。

新型コロナウイルスが飛沫感染であることから、みんな咳やくしゃみに敏感になっており、それは高齢者同士でも同じです。しかも高齢者の方々にとっては死に至るかもしれないとても怖いウイルスなので、コホンと小さな咳払いでもものすごく嫌な顔をされることも…。

私の知人が勤務しているデイサービスに、阿部さんという男性利用者さんがいます。一度脳梗塞で入院しましたがその後回復され、軽い運動は可能になりました。緊急事態宣言後のデイサービス再開をとても喜んでいたのだそうです。

しかしある日阿部さんから「今週は体調が悪いから休みます」と電話が。ちょっとしゃがれたその声に「大丈夫かなぁ」と心配になったそうです。

翌週、元気な姿でデイサービスに来られた阿部さん。家では娘さんが帰宅されるまで基本1人なので、心配したスタッフが「家ではどうお過ごしでしたか?」と質問すると、阿部さんは満面の笑顔で「スクワットしていました。1日20回3セット!」と言ったそうです。

「…え? 体調不良じゃなかったの?」と気になり、その日の帰りに送迎車の中でよく話を聞くと阿部さんはこう話されました。
「実はうっかりエアコンをつけっぱなしで寝てしまい、朝起きたら喉がイガイガになっていて……いつでも咳が出そうな感じだったので、デイサービスをお休みしたんです」「体は元気です! 熱もありません!」と。

咳が出たらコロナだと思われ、周囲を不安にさせる。周りの方のことを考え、週2回のデイサービスをお休みされたんだそうです。きちんとマスクをしていてもちょっとの咳で、周囲に敬遠されてしまう。スタッフは阿部さんの体調が安定していてホッとはしましたが、なんだかやるせない気持ちになったそうです。

季節が変わって寒くなってくると、こういったちょっとの不調でも周囲の目を気にしてデイサービスをお休みされる方が増えるかもしれませんが、介護士は「元気なら来てほしい!」という気持ちです。感染対策をバッチリ完璧にして、利用者の方々を待っていますよ。

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漫画・コラム:藤木 なみき

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漫画・コラム:藤木 なみき

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介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修修了、介護予防運動指導員、ビューティータッチセラピスト
2003年より出産・育児をしながら介護職員として働く。訪問介護、デイサービス、デイケア、グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、これまで多数の居宅サービス、施設サービスを経験。現在はホームヘルパーとして働きながら、さまざまな職場での実体験をもとに介護関連のイラストや漫画を作成する。

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