精神科病棟で働くある介護士にはちょっとした困りごとが。嬉しいけれど、でも……。
介護士が困った優しい患者さんとは?
私が勤務する先の患者さん。優しい方が多いように思います。
優しくしていただくのはとても嬉しいのですが、その反面、ちょっと困った思いをすることも……。
食事の見守り中に話しかけると、「おいしいから食べてごらん」と食べ物を差し出してくれる。
作業療法中には、「これ出来上がったらプレゼントするね」と縫い物や編み物をがんばってくれる。
さらに、掃除をしていると「箒を貸してごらん」と代わろうとしてくれたり、たくさんの荷物を運んでいるのを見かけて一緒に運んでくれようとしたり。
食事や作業療法で使う材料はもちろん、趣味の塗り絵や折り紙など、すべてご家族や患者さん本人がお金を出しているものです。いくら善意からとはいえもらうわけにはいきません。
断ると寂しそうな顔をされたり、がっかりされたりする方も多くて、気が引けてしまいます。
断り方に悩みますが、「食事は栄養価計算してるので」「この仕事は私の役目なので」など、「ありがたいけど困っちゃいます」と断るとだいたいは納得してくれます。
患者さんたちは本当に優しいんですよね。もしかしたら子や孫に接するように、いろいろ手伝いたくなってしまうのかもしれません。
個人的には物をもらえませんが、「どうしても」という方の作品はナースステーションに飾ってあります。
色とりどりの作品を見て、患者さんの優しさを分けてもらう毎日です。
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