厚生労働省は3日、要介護認定の調査員の資格要件を今年4月から緩和すると正式に発表した。【Joint編集部】
都道府県などの担当部局に通知を出して伝えた。
今回の要件の緩和は、市町村が認定調査を委託する社会福祉協議会などの「指定事務受託法人」だけが対象。現行ではケアマネジャーしか担えない決まりだが、人材確保が難しいことなどから見直しを求める声が現場からあがっていた。
指定事務受託法人ではないケアマネ事業所や介護施設、包括などでは従来通りの運用が維持される。
厚労省は通知の中で、認定調査の実施を新たに認める職種の範囲をケアマネの基礎資格とする方針を明らかにした。
具体的には以下の21職種と、介護施設などで相談援助業務にあたる生活相談員らが対象となる。必要な実務経験は5年以上。それぞれの資格に基づく実務経験ではなく、必ず介護現場での実務経験が5年以上ないといけない。
このほか、過去に認定調査に1年以上従事したキャリアを持つ人(市町村の元職員や元ケアマネなど)も対象とされている。
認定調査は介護保険の根幹に関わる極めて重要なプロセスだ。その業務負担を勘案して委託が認められているものの、市町村が主体的に行うことが原則とされている。
資格要件の緩和に踏み切った厚労省は今回の通知で、「指定事務受託法人での調査は今後も介護支援専門員が行うことを基本とする」と説明。新たに対象とした職種については、「認定調査を補完的に可能とするもの」との認識を示した。
あわせて、認定調査の質の担保、向上を図る観点から、担当者にベテランを加えたり研修会を開催したりする工夫を自治体に要請している。
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