政府は27日夕の閣議で、新型コロナウイルスの流行に対応するための今年度の第2次補正予算案を決定した。介護・福祉の現場を支えている職員に対し、全額国費で新たな給付金を出すことも盛り込んだ。【青木太志】
感染者が発生した、あるいは濃厚接触者に対応した介護・障害福祉事業所の職員に20万円を支給する。感染者、濃厚接触者がいない事業所で働く職員には5万円を支払う。いずれも「慰労金」という名目。これらが正式に決められた。
27日夜、厚生労働省への取材で給付金の具体像が分かった。
投じられる財源はおよそ5150億円(医療分を除く)。介護保険、障害福祉の全てのサービスが対象となる。職種にも制限はない。現場で働く人ならケアマネジャー、看護職、リハ職、事務職など皆が一律で、正規職員でも非正規職員でも受け取れる。介護分野では地域包括支援センターの3職種なども対象に含まれる見通し。
今年度の1次補正で新設された交付金(緊急包括支援交付金)を積み増す形で実行される。
具体的な支給方法はまだ調整中だ。厚労省は今のところ、交付金を渡す都道府県から事業所ごとに配る形を想定している。個々の職員へ直接的に支払う形をとると、自治体にかかる負担がかなり重くなるという指摘がある。取材に応じた担当者は、「職員ひとりひとりに必ず行き渡る仕組みにする」と説明した。
厚労省は2次補正が国会で成立した後で、詳細なルールを定める通知を発出する予定。同様の給付金は医療現場を支える医師や看護師らにも支給される。
関連記事
新着記事