来年4月の介護報酬改定に向けた協議を重ねている社会保障審議会・介護給付費分科会は27日の会合で、特別養護老人ホームを俎上に載せた。【Joint編集部】
特養の経営者で組織する全国老人福祉施設協議会は、基本報酬の引き上げを強く要請。今後の事業継続とサービスの質の底上げを図るために不可欠だと訴えた。
次期改定にどれだけの財源を投じるか、政府・与党は12月に決定する方針。
訪問介護、通所介護、居宅介護支援、特養などの主要サービスはいずれも、報酬増を求める声が関係者からあがっている。厚生労働省の担当部局もプラス改定を目指すが、新型コロナウイルスの感染拡大で支援を必要としている業界は多い。政治的な綱引きが年末にかけて激化する見通しで、どこまで具現化できるかは不透明だ。
老施協は今回、「現行の基本報酬は昨今の人件費をはじめとするコスト増を反映しきれていない」と指摘。コロナ禍で出費が嵩んだこと、実際にきめ細かい感染防止策を講じていること、今後それを更に強化していくべきことなども、基本報酬の引き上げが欠かせない理由としてあげた。
老施協の小泉立志理事は席上、「コロナ禍でも日本は介護施設の死亡者が少ない。これは現場の職員の意識が高いことのあらわれ。医療崩壊の防止にも少なからず貢献しており、十分に評価してもらいたい」と主張。「これ以上加算を増やすことは、業務量の増大にもつながるため得策ではない。基本報酬の中で評価して欲しい」とも述べた。
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