政府は28日の新型コロナウイルス対策本部で、今後の新たな取り組み方針を決定した。【Joint編集部】
高齢者、基礎疾患を持つ人への感染の防止に力点を置く姿勢を、これまでより鮮明に打ち出した。リスクの高低を踏まえて一段とメリハリの効いた対策をとり、重症者、死亡者の抑制と社会経済活動の継続とを両立させる構想を描いている。
具体策としては、感染者が多い地域やクラスターが発生している地域で、介護施設の入所者、職員全員を対象として定期的に一斉検査を行うことを盛り込んだ。医療機関の入院患者、職員への一斉検査とあわせて、都道府県などに実施を要請していくとした。
このほか、高齢者らの希望に応じて市町村が行う検査を国が支援する仕組みも新設する。無症状者、軽症者の宿泊療養(人によっては自宅療養)を徹底し、医療資源を重症者へ集中投入できる環境を生み出す考えも示した。
安倍晋三首相は夕の記者会見で、「社会経済活動との両立は十分に可能。重症化リスクの高い方々に重点を置いた対策へ今から転換する」と宣言。「高齢者や基礎疾患のある方々の集団感染を防止する。医療支援も高齢者などに重点化していく」と説明した。
加藤勝信厚生労働相は夜の会見で、「安倍政権を当初から支えてきた一員として辞任は残念だが、総理の思いを受け止めてこの施策をしっかりと実現したい。担当大臣として対策に空白が生じないよう全力を注ぎたい」と語った。介護施設などの一斉検査については、「それぞれの地域、施設の取り組みを全面的に支援していく。好事例があれば横展開で広げていく。取り組みが具体的に進むように支援したい」と述べた。
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