広島大学は15日にオンライン会見を開き、新型コロナウイルスに感染した、あるいはその疑いのある認知症の高齢者への対応について、介護施設向けのマニュアルを発表した。【北村俊輔】
感染拡大を食い止めるためやむを得ず身体拘束に至ってしまう − 。
そうした事態を避けることに重きを置いた内容。せん妄や行動・心理症状(BPSD)をできるだけ和らげることで、対応が困難な状態になってしまうリスクを下げるよう呼びかけている。
例えば、生活環境の整備や不快感の緩和、丁寧な声かけなどを推奨。脱水にならないよう注意することも勧めた。
高齢者が朦朧としていないかなど、異変の早期発見に努めることの重要性も指摘。明らかに不穏な状態の場合は、速やかに医師に相談するよう促している。
身体拘束については、「違法であり原則的に禁止されているが、感染リスクのコントロール、または本人の保護のため他に適切な手段がなく、緊急やむを得ない場合に限って例外的に許容される」と説明。決められたルール・手続きに沿って実施すること、対応方針を親族らにも丁寧に説明すること、高齢者の人権に十分配慮することなどを要請している。
マニュアルはネットで閲覧・ダウンロード可能。広島大は今後、関連団体を通じて介護施設などに周知していくという。サイトでは「印刷配布はご自由に」と呼びかけている。
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