新型コロナウイルスのワクチンを接種するかどうか、認知症などで本人の意思を確認することが必ずしも容易でないケースについて、厚生労働省は考え方を記載した通知を先週末に自治体へ発出した。介護現場への周知も要請している。【Joint編集部】
普段からそばで支えている人が寄り添い、本人の意思を丁寧にくみ取るよう促した。以下のように書いている。
「インフルエンザのワクチン接種と同様に、それぞれの状況に応じて、家族やかかりつけ医、介護施設の職員など日頃から身近で寄り添っている人の協力を得て、本人の意向を丁寧にくみ取ることなどにより、意思確認を行って頂くようお願いします」
また、意思確認はできるものの身体的な事情などで自署ができないケースも取りあげ、「家族に代筆してもらうなど、適切な運用に努めて頂くようお願いします」と呼びかけた。
新型コロナウイルスのワクチン接種は、そもそも本人が希望していることが大前提となる。認知症の高齢者などの場合はどうすればいいのか? 介護現場の関係者から困惑の声があがり、国会では野党議員などが問いただしていた。
政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長は今月23日の衆院・厚労委員会で、「常識で考えれば認知症の高齢者などもワクチンを接種した方がいい。身近なご家族や医師などが実情を踏まえて接種した方がいいと判断した場合、接種してあげてもそれほど大きな問題にならない、というのが私のコモンセンスだ」と表明。田村憲久厚労相も、「政府として接種を積極的にお勧めしている。分かりやすく示したい」と述べていた。
厚労省はこのほか、認知症の高齢者などが成年後見制度を活用しているケースの考え方についても、3月末に通知を発出している。
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