新型コロナウイルスの感染拡大を受けて支給された慰労金を除いて考えると、職員の年収が下がった介護サービス事業所は約半数にのぼる − 。日本医療労働組合連合会が5月31日に公表した調査結果では、そうした実態が報告されている。【Joint編集部】
それによると、慰労金を除いて昨年度の年収が上がった事業所は12%。「変わらない」が34%で、「下がった」が49%を占めた。
利用者の減少や出費の増大に伴う経営悪化が背景にあるとみられる。介護職の負担を一段と重くするコロナ禍は続いているが、今年度に慰労金を改めて支給する動きは起きていない。調査の自由記述欄には、「現場を守っているスタッフも守って欲しい」「慰労金の再支給を強く求める」などの声が寄せられていた。
この調査は今年4月から5月にかけて行われたもの。医労連に加盟する135の事業所から有効な回答を得ている。
日本医労連は、「コロナ禍で業務が過酷を極めているにもかかわらず、年収が下がってしまうという理不尽を解消するためにも、追加支援が求められている」と主張。森田しのぶ中央執行委員長はこの日の会見で、「どの事業所もコロナと懸命に向き合っている。経営が成り立たない状況に陥ることを危惧する」と述べた。
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