社保審・介護給付費分科会|11月6日
厚生労働省は6日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で居宅介護支援を俎上に載せた。【Joint編集部】
月1回の利用者宅でのモニタリングについて、テレビ電話(ビデオ通話)などを活用した実施も認めることを提案。少なくとも2ヵ月に1回は利用者宅を訪問すること、他のサービス事業所と連携することなどを要件としてはどうかとした。
介護支援専門員の業務の効率化、負担の軽減などにつなげる狙い。全国的に人材不足が深刻化していることが背景にある。
厚労省は年内にも大枠の方針を決める。今後、現場の意見も聞きながら具体的な検討を更に深めていく構えだ。
会合では「引き続き、少なくとも月1回の訪問によるモニタリングを原則とする」と説明した。そのうえで、今年度の実証調査の結果を紹介。「利用者の状態によっては、テレビ電話などでも十分なモニタリングが可能」との認識を示し、次の要件を満たす事業所に認める案を示した。
こうした提案に対し、委員からは否定的な意見も噴出した。
連合の小林司生活福祉局長は、「実際に訪問して利用者の様子をみることが重要だ。慎重な検討が必要」と主張。認知症の人と家族の会の鎌田松代代表理事は、「オンラインでは利用者の顔、言葉しか分からない。状態変化を見過ごすなどの課題が生じるのではないか」と問題を提起した。
一方で、民間介護事業推進委員会の稲葉雅之代表委員は、「ケアマネジャー不足は深刻。ICTの活用は積極的に進めて頂きたい」と要請。日本介護支援専門員協会の濵田和則副会長は、「今後、今回の見直しの影響を十分に把握する検証なども重要になる」と指摘した。
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