社保審・介護給付費分科会|11月6日
厚生労働省は6日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、訪問介護と通所介護を組み合わせた新たな複合型サービスの具体像を提案した。【Joint編集部】
厚労省案の概要は下記の通り。ポイントは包括報酬の地域密着型サービスであること、既存の訪問介護・通所介護で求められる運営基準が踏襲されること、ケアマネジメントを居宅介護支援のケアマネジャーが担う(内包しない)ことなどだ。
また、訪問サービスの担い手の資格要件も大きな焦点となる。厚労省の担当者は会合後、「引き続き議論していくが、初任者研修の修了などホームヘルパーの資格を要件として定める方向で検討していきたい、と現時点では考えている」と明らかにした。
新たな複合型サービスの創設は、人材確保がますます難しくなる今後も地域で必要な介護体制を維持していく方策の1つ。貴重な既存資源をより有効に活用していく狙いがある。
例えば、通所介護の事業所が利用者のニーズに応じて訪問サービスも提供できるようにすることで、現場がより柔軟に支援を展開できる環境を作り出す。厚労省は今回の審議会で、「訪問介護と通所介護を一体的に提供し、利用者の状態に応じたきめ細かいサービスを効果的・効率的に行う」と説明した。
運営基準や報酬単価などの詳細はこれから詰めていく。年内にも新たな複合型サービスの大枠を固める構えだ。
ただ会合では委員から、
「新サービスの創設は制度を複雑化させ、既存サービスの発展を阻害し得る」「既存サービスの規制緩和を検討した方が良いのではないか」「地密なので市町村をまたぐとサービスを提供できない」「訪問サービスの頻度が下がるなど、利用者の利便性はむしろ低下するのではないか」
といった異論も多くあがった。厚労省はこうした意見も踏まえ、具体的な議論を更に深めていくとしている。
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