受験者数が減少傾向にある介護福祉士の国家試験について、厚生労働省は今月からルールの見直しに向けた有識者会議を新たに立ち上げる。【Joint編集部】
介護現場で働きながら資格を目指す人が挑戦しやすくなるよう、複数科目ごとに合否を判定する「パート合格」の導入を検討していく。例えば、2回目以降の受験時に合格できていないパートの学習のみに専念できる、といったメリットを想定している。
導入時期の見通しはまだ明らかにしていない。受験者の負担を減らして資格取得を後押しすることと、介護福祉士の知識・技能の低下を防ぐことの両立が課題となる。
目的は人材の確保だ。介護福祉士国試の昨年度の受験者数は7万4595人。3年連続の減少となり、ピーク時(2014年度)の半数以下にまで低下した。地域の介護ニーズが更に拡大、または複雑化していく今後を見据え、サービスを支える専門職の不足を懸念する声が多い。
厚労省が検討する介護福祉士国試のパート合格の導入は、介護現場で働きながら資格を目指す「実務経験ルート」が主なターゲットだ。ここは受験者数が多く、より挑戦しやすくすれば一定の効果が見込める。日本人はもちろん外国人にとってもハードルが下がり、ひとりひとりの合否状況に応じた支援の個別化も容易となる。
厚労省のこれまでの検討過程では、介護福祉士国試の全科目を3分割する案が浮上。初回にまず全科目を受験してもらい、2回目以降は不合格パートに再挑戦してもらうアイデアなどが出ている。今後、科目構成や合格基準などルールの細部も議論されることになる。
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